
カニカンの仕組みと種類|ジュエリーにぴったりな金具の特徴と使い道
ジュエリー作りにおいて、金具の選び方はデザインと同じくらい重要です。特に、クラスプ(留め具)は、アクセサリーの完成度や使いやすさに大きな影響を与える要素となります。
その中でも、カニカンはその使いやすさと耐久性から、最も人気のあるクラスプの一つです。今回は、カニカンの種類や仕組み、選び方について詳しくご紹介します。
カニカンとは?
カニカンは、ジュエリー作りにおいて最も人気のあるクラスプの1つです。その理由はシンプルで、頑丈で長持ちし、使いやすいことにあります。
カニカンの形は、名前の通りカニの鋏(ハサミ)に似ていることからその名がつけられました。カニは強力な鋏を持つことで知られ、同じようにカニカンもしっかりと物をつかみ、外れにくい作りになっています。

カニカンの仕組み
カニカンには、小さなトリガー(引き金)があり、指や爪でレバーを引くことで、カニカン本体に隙間を作り、開閉ができる仕組みになっています。この簡単で直感的な操作が、カニカンの魅力の一つです。
カニカンは、スプリング、トリガー、そして本体の3つのパーツから構成されています。
スプリングは、カニカンが開閉するための動力を提供し、トリガーを引くことでその力が働きます。特にスプリングは1つのコイルだけで作られており、通常のスプリングリングのように複数のコイルを使うタイプとは異なります。
トリガーを引くとスプリングがカニカン本体に押し付けられ、トリガーを放すとスプリングが元の位置に戻ります。このシンプルな構造が、カニカンの優れた耐久性と使いやすさを支えているのです。

マグネットテスト
カニカンの本体とトリガー部分は、通常スターリングシルバーや14Kゴールド、ゴールドフィルドなどの貴金属で作られていますが、スプリング部分は必ずスチール製です。このスチール製スプリングは、長期間の使用にも耐え、強い引っ張り強度を保ちます。
スチールは貴金属よりも引っ張り強度が高く、カニカンが長持ちするために必要不可欠な素材となっています。これは、カニカンが丈夫で長く使える理由のひとつです。
これらの部品に磁気が反応するのは、スチール部分が含まれているためです。そのため、カニカンの本体が貴金属でできていても、スチール部品の近くでは磁石の引力を強く感じることがあります。
メッキ処理について
カニカンの多くは製造過程でメッキ処理が施され、光沢のある美しい仕上がりになります。
しかし、新品のカニカンは、トリガーが少し引っかかることがあります。これはメッキや防錆処理が原因であり、使用を繰り返すことで、トリガーは次第にスムーズに動くようになります。最初のうちは少し手間がかかりますが、使い込むうちにその操作感も快適になります。
ジュエリーデザインに合ったカニカンを選ぶ
カニカンには、クラシックな楕円形や涙型のトリガー形状があり、どんなデザインやチェーンにもフィットします。
さらに、スイベルカニカン(回転するタイプ)やトリガーなしのカニカン、装飾的なデザインのカニカンもあります。これらを使い分けることで、ジュエリーのデザインに幅を持たせ、個性的で魅力的なアイテムが作れます。
まとめ
カニカンは、その強度と耐久性から非常に人気のある選択肢です。スプリングリングのようなチューブ構造がないため、凹みや変形、詰まり、ずれが起こりにくい点が特徴です。
スプリングリングと同じくしっかりと閉じる機能を備えていますが、耐久性が高く、経済的な製品に見られるような簡素な作りではありません。そのため、少し高価にはなりますが、ほんの少しの価格差で、より安心感を得ることができるのです。